「グローカル・ハタラクラスぐんま」コンソーシアム副会長
峯 岸 敬
群馬大学理事(教育・企画担当)
このプロジェクトは、文部科学省が平成29年度に5年間の計画で公募した「留学生就職促進プログラム」として実施されるもので、全国で12大学が選定されております。少子高齢化による生産年齢人口が減少する状況にあって、「外国人財の企業への就職の拡大」は、わが国の成長戦略の柱のひとつに位置づけられており、このプロジェクトにも、全国の行政・経済団体から高い注目を頂いております。
群馬大学では、県内10高等教育機関、8地方公共団体、 24民間団体等の、計42機関・団体とコンソーシアムを組んで、「グローカル・ハタラクラスぐんま」プロジェクトとして取り組んでいます。高等教育機関に在籍する外国人留学生もまた、「企業への就職の拡大」が期待される「外国人財」です。卒業後も群馬で暮らし働きたいと望む外国人留学生を増やし、高度外国人財として育て、地域に送り込むことは、高等教育機関の重要な責務のひとつであると認識しております。
その責務を遂行するため、本コンソーシアムでは、平成27年度より、外国人留学生の住環境と就職促進の環境整備を進める事業にも取り組んでまいりました。その実現は、地域の自治体や産業界のみなさまのお力添えなくては成しえません。どうかよろしくご協力のほど、お願い申し上げます。
「グローカル・ハタラクラスぐんま」プロジェクト
― 高度な知識と技能をもち、群馬に愛着を持つ外国人留学生が群馬に定着する仕組みをつくる ―
「グローカル・ハタラクラスぐんま」プロジェクト 企画・運営担当
結 城 恵
(群馬大学 大学教育・学生支援機構 教授(兼)同大学 社会情報学研究科 教授)
県内での就職を望む、日本語能力も高く、専門分野で活躍できる高度人財としての外国人留学生は少なくありません。これらの外国人留学生が群馬県に定着すれば、人手不足を補うだけでなく、地域の産業の持続可能性を高め、国際的な事業展開も可能となるでしょう。
外国人留学生30万人計画の実現に向けて、文部科学省が公募した「留学生就職促進プログラム」に採択された群馬大学は、県内10高等教育機関を含む42の県内産学官金の関係機関の協働体制を構築し、オール群馬で外国人留学生の就職促進を図ります。
この事業では、群馬県内における外国人留学生の就職率を現状の約15%から約50%に向上させることを目標として、県内の10高等教育機関(群馬大学、群馬県立女子大学、高崎経済大学、前橋工科大学、共愛学園前橋国際大学、関東学園大学、上武大学、高崎商科大学、高崎健康福祉大学、群馬工業高等専門学校)が自治体や産業界と連携して取り組みます。その目玉は、県内企業への就職率を向上させるには、「群馬の産業界に貢献する高度人財の養成」に重点的に取り組むことが必要です。
この人財養成プログラムは、「グローカル・リーダーシップ・プログラム(GLLP)」といいます。これは、留学生の日本語力を含めた社会人基礎力を、県内地域での多様な活動経験を通して高める、本事業に特化した特別のカリキュラムです。
このプログラムの柱は3つあります。第一は、日本語能力試験(JLPT)N1相当の能力獲得を実現するための「ビジネス日本語」です。第二は、外国人留学生に企業訪問・経営者との対話などを重ねることで、企業・外国人留学生のミスマッチを防き、学生のキャリアプランをしっかりとイメージさせる「キャリア教育」です。第三は、中長期(1か月程度)のインターンシップ・プログラムの開発実施です。このインターンシップ・プログラムには、複数の企業が協働し地域単位で外国人留学生を受け入れる「地域対応型」インターンシップと、業界・企業が外国人留学生を受け入れる「業界対応型」インターンシップの2種類を用意します。
高等教育機関で養成された専門領域での知識・技能と「よそ者・わか者・外国人」の視点を併せ持つ外国人留学生は、地域や企業にとって新たな発想と着実な技術力を持つ存在となるはず、と私たちは考えます。外国人留学生受入れ経験の少ない企業への支援も積極的に展開し、外国人留学生・企業双方にとってWin-Winの関係となる取組を目指します。
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